自社に適した補助金の探し方【自己診断チェックリスト付き】

現在、中小企業や個人事業主向けにさまざまな補助金制度が提供されています。
一方で、どの補助金が自社に適しているのかを探すのも一苦労ですよね。「どの補助金がうちに合っているのかわからない」「申請しても採択されなかった」という声も少なくありません。

この記事では、自社に合った補助金を見つけるためのチェックポイントと、具体的な探し方・成功のためのコツをまとめました。
最後には簡単なセルフチェックリストも用意していますので、ぜひ活用してください。

1. 主要なチェックポイント

補助金を選ぶ際の主なチェックポイントはこんなところでしょうか。

  • 使途
  • 投資規模
  • スケジュール
  • 会社規模(従業員数や資本金)・業種
  • 地域

以下では各ポイントについて補足説明します。

1. 使途(目的)を明確にする

補助金は、それぞれ目的や対象事業が異なります。まずは、自社が取り組みたい事業や解決したい課題をはっきりさせましょう。

例:

  • 新たな設備導入(省エネ設備や生産効率向上)
  • ITツールの導入(業務効率化やECサイト構築)
  • 新商品・新サービスの開発
  • 海外展開や販路開拓

ポイント:目的が不明確なままでは、どの補助金が合うか判断できません。
まずは「何のための投資か」を一文で表せるようにしましょう。

申請した補助金の使途が制度の目的や対象事業にマッチしていないと、事業計画自体が素晴らしくても採択される可能性は低いでしょう。それに、仮に、費用の1/2や1/3が補助されるといっても、残りは自己負担になるわけですから、費用対効果の低い使い道で申請するなんて本末転倒なんじゃないかなと思います。

だからこそ、まずは、事業者にとって本当に必要としている補助金の使途が何であるか(何に投資をするのか)、を明確にしておくことが重要です。そうするには、前提として、事業者の経営課題が何であるかを炙り出さなければなりません。自社だけでは難しい場合には、中小企業診断士等の専門家と相談するのも有効でしょう。もちろん、当事務所も対応可能です!

2. 投資規模を把握する

補助金ごとに最低事業規模や上限額や補助率が異なります。上限数十万円規模から数千万円、億単位のものまであります。

自社が予定している投資の規模が小さいなら、大型の補助金を狙っても最低事業規模に達しない可能性がありますし、仮にそこはクリアできたとしてもライバルとなる他の申請者の事業計画と比べてスケールが小さく見えてしまい採択されづらくなるでしょう。
一方、自社が予定している規模が大きいなら、小型の補助金に申請して採択されたとしても、投資の大部分が補助を受けられず十分に費用を賄えない、という不本意な結果となるかもしれません。

自社が予定している投資の規模に対して過不足ない補助が受けられる補助金が理想です。

目安の考え方:

  • 数十万円~数百万円規模の投資 → 小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、自治体独自の補助金など
  • 数千万円規模の投資〜 → ものづくり補助金、省力化投資補助金、新事業進出補助金など
  • それ以上の投資〜 → 成長加速化補助金など

補助率(補助対象経費の何割を補助してもらえるか)にも注目しましょう。

3. スケジュールを確認する

補助金には申請期間と事業実施期間が決められています。補助金は、通年公募しているタイプもありますが、特定の期間にしか申請できないタイプの方が主流です。また、事業実施期間(補助対象となる経費を使って投資を実施するタイミング)も制度ごとに異なり、決まった半年くらいの間に投資のタイミングを合わせないといけません。

事業者が予定している投資計画のタイミングが柔軟に変更できるならあまり問題とはなりませんが、ほとんど動かせないなら、利用できる補助金は自ずと限られます。

チェックすべき点:

  • 申請締切までの準備期間(最低でも2〜3週間は欲しい)
  • 補助対象経費の使用期間(いつから使えるのか)
  • 複数回公募がある場合、どの回を狙うか

コツ:採択後にすぐ事業を開始できるよう、事前に業者見積もりや計画書を用意しておくと安心です。

4. 会社規模・業種を確認する

補助金の多くは「対象事業者の規模(従業員数・資本金)」や「業種」による制限があります。
具体的には、会社規模や業種によって、事業者を、小規模事業者、中小企業、中堅企業、大企業などのクラスに分類し、クラスによって異なる取り扱いをしています。
例えば、大企業は申請できない補助金や、クラスによって補助上限額が異なる補助金があります。
応募前に必ず自社が対象範囲に入っているか確認しましょう。

例:

  • 製造業:従業員20人以下→小規模事業者
  • サービス業:従業員5人以下→小規模事業者
  • 小規模事業者のみ対象、または特定業種のみ対象の制度もあり

5. 地域の制度を活用する

補助金は全国規模のものもあれば、、都道府県や市町村が独自に実施しているローカル限定のものもあります。

地域限定の補助金は、メジャーな補助金に比べて、補助上限は低め(数十万円から200万円程度)ですが、ライバルが少ないため競争率が低く要件も厳しくない(つまり、採択されやすい)傾向があります。

投資規模がそれほど大きくないのであれば、自社の本社所在地や事業実施地でどのような補助金が提供されているかを調べてみると、意外に役立つものが見つかるかもしれません。

調べ方:

  • 地元の商工会・商工会議所に相談
  • 県や市の公式サイトで「補助金」「助成金」で検索
  • ミラサポ+、J-Net21などの補助金検索サイトを活用

6. 補助金が自社に適しているかを診断するための簡易チェックリスト

チェック項目はいいいえ
使途がその補助金の目的・対象事業と合致している
投資額に見合った金額が補助される
申請締切までに計画書を完成できる
自社の業種・規模が対象範囲に入っている

すべて「はい」なら、その補助金は申請検討の価値があります。

7. まとめ

自社に適した補助金を選ぶには、

  • 使途
  • 投資規模
  • スケジュール
  • 会社規模(従業員数や資本金)・業種
  • 地域

が重要です。

この記事のチェックリストを使って、自社に最適な補助金を見極め、採択につなげてください。

重要なことは、何と言っても、事業者にとって本当に必要としている補助金の使途が何であるか(何に投資をするのか)、を明確にすることですね。
そこがクリアになれば、あとは投資規模やスケジュールも見えてくるはずです。
残りのチェックポイントも考慮すれば、自社に適した補助金はごく少数まで絞り込めるはずです。逆に、投資規模やスケジュールなどの制約から、自社に適した補助金は無い、との結論になるかもしれませんね。
それはそれで、資金調達の選択肢の1つを消え意思決定がしやすくなった、という意義があるとお考えください。

色々書いてあるけど記事を読むのが面倒だ、とか、チェックポイントは理解したけどいくつもの補助金の募集要項を確認するのは面倒だ、というお声がありそうです。
そういう場合は、専門家に任せてしまうのが楽ですよね。
当事務所でも、お客様からヒアリングし、適していると思われる補助金をご提案しています。お気軽にご相談ください。

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