1. はじめに
このポータルでは、中小企業・小規模事業者の皆さまが活用できる主要な補助金制度について、概要から申請の流れ、活用時の注意点まで網羅的に解説しています。
制度ごとの特徴や比較ポイントを整理し、最新の公募スケジュールや関連資料へのリンクも掲載しています。
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2. 主要制度比較
中小企業や小規模事業者が活用できる主要な補助金制度を、目的・対象・補助額・補助率の観点で比較しました。
自社の課題や投資計画に合った制度を選ぶ参考にしてください。
制度名 | 主な目的・特徴 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|---|
ものづくり補助金 | 革新的な新製品・新サービスの開発や設備投資を支援。高付加価値化枠・グローバル枠があり、革新性・波及効果が重視される。 | 750万円〜3,000万円(従業員数、枠による) | 中小企業:1/2以内 小規模事業者:2/3以内 |
省力化投資補助金(一般型) | IoT・ロボット等を活用し、生産工程や業務の省力化をオーダーメイドで支援。自由度が高い一方で要件も多い。 | 750万円~8,000万円(従業員数による、大幅な賃上げ達成時:最大1億円) | 1/2(小規模2/3)、1,500万円超過分1/3 |
省力化投資補助金(カタログ注文型) | 国が事前認定した省力化製品から選択して導入。申請手続きが簡略化され、交付決定までが比較的早い。 | 最大1,000万円(従業員数により変動、大幅な賃上げ達成時:最大1,500万円) | 1/2以内 |
新事業進出補助金 | 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出に係る設備投資や建物費、クラウド、広告宣伝、専門家経費等を支援。 | 2,500万円~9,000万円(従業員数による、特例適用時:最大9,000万円) | 1/2以内 |
IT導入補助金 | ITツール導入やクラウド利用料、ECサイト構築等を支援。ソフトウェア、サブスク、連携システム構築など幅広く対象。 | 枠による。 通常枠の場合:5万円〜150万円未満(条件により150〜450万円以下) | 枠による。 通常枠の場合:中小企業:1/2以内 小規模事業者:2/3以内 |
小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の販路開拓や業務効率化を支援。チラシ作成、ホームページ制作、展示会出展など小規模投資に対応。 | 最大50万円(特例適用時:最大250万円) | 2/3(特例で3/4) |
簡単な補助金診断
- 高額な設備投資や革新的な開発 → ものづくり補助金
- 生産工程の省人化・自動化 → 省力化投資補助金(一般型/カタログ注文型)
- 新市場や新分野への挑戦 → 新事業進出補助金
- ITツール・クラウドサービスの導入 → IT導入補助金
- 販路開拓や小規模投資 → 小規模事業者持続化補助金
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3. 主要制度別ガイド
新事業進出補助金

既存事業とは異なる分野に挑戦し、新市場や高付加価値事業へ進出する取り組みを支援します。
(準備中)小規模事業者持続化補助金

4. 最新の公募スケジュール:2025年9月更新
直近で応募可能な主要補助金の一覧です。
2025年9月
- 省力化投資補助金(カタログ注文型):随時
- IT導入補助金(通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型、電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠)〔5次〕:2025年9月22日(月)17:00締切
- IT導入補助金(複数社連携IT導入枠)〔2次〕:2025年9月22日(月)17:00締切
2025年10月
- ものづくり補助金〔21次〕:令和7年10月24日(金) 17時締切
- 省力化投資補助金(カタログ注文型):随時
- IT導入補助金(通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型、電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠)〔6次〕:2025年10月31日(金)17:00締切
- IT導入補助金(複数社連携IT導入枠)〔3次〕:2025年10月31日(金)17:00締切
2025年11月
- 省力化投資補助金(カタログ注文型):随時
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5. 補助金申請の一般的な流れ
補助金申請は、おおまかに以下のステップで進みます。
- 事業内容・課題の整理
経営課題や解決策を明確にし、適用可能な制度を検討します。 - 制度の確認・選択
募集要項を確認し、対象事業者・対象経費・補助率・スケジュールなどの条件を把握します。 - 事業計画書の作成
事業概要、実施スケジュール、体制、収支計画、期待される効果などを整理し文書化します。 - 申請
所定の申請方法(電子申請や郵送など)で必要書類を提出します。 - 採択後の手続き
交付申請、事業実施、実績報告(証憑管理など)を行います。
制度によって詳細な手順は異なりますが、いずれも「事業計画の精度」が採択率を左右します。
6. 補助金申請前に共通して確認しておきたい事項
補助金制度ごとに要件や提出書類は異なりますが、申請の準備段階で共通して求められることがあります。以下は、多くの制度で必要になる可能性が高い項目です。
- 事業の目的と課題が明確になっている
(どんな課題を解決するための事業か、具体的に説明できる) - 事業計画書の骨子が固まっている
(実施内容・スケジュール・期待される効果が整理されている) - 過去の決算書や確定申告書が揃っている
(直近1〜2期分) - 見積書や証憑が用意できる見込みがある
(対象経費の根拠となる資料) - 必要に応じて事前予約や事前審査の確認をしている
(制度によっては申請前に登録や承認が必要な場合がある)
制度ごとの詳細な必要書類や要件は、公募要領や各制度の詳細ガイドをご確認ください。
7. 事業計画書
補助金申請において、事業計画書は採択可否を左右する最も重要な書類です。
銀行融資や社内向けの事業計画書とは異なり、補助金用では審査員が「公的支援に値する」と判断できる内容であることが求められます。
採択率を高めるためには、審査項目に沿った構成や、図解・数値の活用など表現面の工夫も有効ですが、最も重視すべきは事業計画そのものの実現性と説得力です。
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8. 主要制度別の活用例
ものづくり補助金の活用事例
株式会社山から(菓子製造・山形県)
包餡機・自動整列機・大型ミキサー導入で工程を部分自動化。全体製造時間を約3割短縮、整列工程の人員を5人→3人に省人化、1日4,000個→6,000個超に増産。(出典:令和6年度 ものづくり・商業・サービス補助金成果活用グッドプラクティス集)
豊田プレス工業株式会社(自動車部品・愛知県)
協働ロボット導入で検収・試作時間の短縮や不良低減、工程集約と省人化でコスト削減を実現。新たな営業機会の開拓にも寄与。(出典:令和6年度 ものづくり・商業・サービス補助金成果活用グッドプラクティス集)
株式会社龍の瞳(コメ加工・岐阜県)
精米ライン刷新で品質向上・見栄えアップにより売上高を2倍増。割れ米の有効活用や新商品の展開にも波及。(出典:令和6年度 ものづくり・商業・サービス補助金成果活用グッドプラクティス集)
新事業進出補助金の活用事例
残念ながら、初回公募(2025年4月開始)から間もないこともあり、公式な活用実例は未公表です。
近似目的の先行制度である事業再構築補助金の事例が参考になると思われます。
省力化投資補助金(カタログ型)の活用事例
株式会社7CIRCLE(カフェ・千葉県)
スチコン導入でハンバーグの一括調理が2–3個/回→20個/回、火前の張り付き不要に。空いた時間を接客・新メニュー開発へ。(出典:中小企業省力化投資補助事業カタログ注文型 活用事例集)
株式会社鶴ケ城会館(物販、飲食・福島県)
スチコン導入で名物「わっぱ飯」調理が60分→15分に短縮。インバウンドや修学旅行の大量調理に対応。(出典:中小企業省力化投資補助事業カタログ注文型 活用事例集)
城山工業株式会社(金属プレス・神奈川県)
AGV/AMR導入で部品運搬の2名体制→1名体制へ。余剰人員を整理・他作業へ再配置。(出典:中小企業省力化投資補助事業カタログ注文型 活用事例集)
冨尾石油株式会社(SS運営・大阪府)
タブレット給油許可システムで事務所常駐が不要に。空いた時間でレンタカー清掃など業容拡大に充当。(出典:中小企業省力化投資補助事業カタログ注文型 活用事例集)
省力化投資補助金(一般型)の活用事例
残念ながら、公式な活用実例は未公表です。ただし、採択結果一覧に事業テーマが公開されています。以下のような“実在プロジェクト”が並び、自社の企画づくりのネタ元になります。
- 平岡ボデー株式会社(静岡県):専用溶接ロボットシステム導入による事業拡大。
- 株式会社エーユー(静岡県):ロボット搬送でダイカスト冷却部品の省力化。
- 株式会社伊藤製作所(静岡県):曲げ工程の省力化で大型空調機部品の生産性向上。
IT導入補助金の活用事例
株式会社河北(建設・宮城県)
工事原価システム導入で作業の一元化・平準化。利益率+0.17%、年間120万円のコスト削減、テレワーク対応も進展。(出典:IT導入補助金2020 活用事例)
有限会社天女山(林業・山梨県)
3D GIS×ドローンで森林調査の人員を1haあたり約10名→2名、踏査時間約1/2に。(出典:IT導入補助金2020 活用事例)
杏亭グループ(飲食・和歌山県)
セルフレジ導入(IT導入補助金)で会計ミス9割減・客単価2割UP。さらに急速冷凍機(ものづくり補助金)で食材ロス4割減・仕込み時間の大幅短縮という“補助金の複合活用”が秀逸。(出典:補助金活用ナビ(中小機構))
9. よくある質問(FAQ)
Q. どの補助金が自社に合っているか、どうやって判断すればよいですか?
A. 事業内容・課題・導入目的を整理したうえで、対象事業者・対象経費・補助率・スケジュールを比較して選びます。制度ごとの概要や比較表を参考にすると判断しやすくなります。
詳しくはこちらのブログ記事をご覧ください。
Q. 採択率はどのくらいですか?
A. 採択率は年度や募集回ごとに異なり、応募件数や事業内容の質によっても変動します。一般的に、事業計画の実現性や根拠資料の充実度が採択可能性を高めるポイントです。
補助金制度毎の採択率の傾向等は当事務所が作成した各補助金の詳細ガイドをご覧ください。。
Q. 採択後の手続きにはどのようなものがありますか?
A. 採択後は、交付申請 → 事業実施 → 実績報告(証憑の提出)という流れになります。制度によって必要書類や期限が異なります。
公募要領や当事務所が作成した各補助金の詳細ガイドをご覧ください。
Q. 申請はいつ頃までに準備すればよいですか?
A. 申請書類や事業計画書の作成には時間がかかるため、公募締切の少なくとも1か月前から準備を始めるのが望ましいです。制度によっては事前予約や事前審査が必要な場合もあります。
Q. 複数の補助金を同時に申請できますか?
A. 原則として可能ですが、同一経費を重複して申請することはできません。また、制度によっては他制度との併用を禁止している場合があります。
公募要領や当事務所が作成した各補助金の詳細ガイドをご覧ください。
Q. 申請に必要な書類には何がありますか?
A. 事業計画書のほか、履歴事項全部証明書、決算書や確定申告書、見積書、契約書案などが必要になることが多いです。制度によって求められる書類は異なります。
公募要領や当事務所が作成した各補助金の詳細ガイドをご覧ください。
Q. 個人事業主でも申請できますか?
A. 多くの制度で個人事業主も対象になりますが、開業届の提出や確定申告の実績など一定の要件があります。制度ごとの対象要件を必ず確認してください。
Q. 申請が不採択になった場合、再申請できますか?
A. 可能です。同一制度での再申請や、別の制度への申請ができます。不採択理由を分析し、事業計画や書類の改善を行うことが重要です。
10. まとめ
補助金制度は、事業の成長や新たな取り組みを後押しする大きなチャンスです。
しかし、制度ごとに対象や要件が異なり、申請準備には時間と正確な情報が必要です。
このポータルでは、主要な補助金制度の概要や比較、申請の流れ、注意点等を整理してご紹介しました。
制度を正しく理解し、自社の課題や計画に合った補助金を選ぶことが採択への第一歩です。
さらに、事業計画書の完成度を高め、必要書類やスケジュール管理を徹底することで、採択可能性は大きく向上します。
最新の公募スケジュールや詳細な申請条件は、必ず公式情報で確認してください。
そして、より具体的な事例や実務的な準備方法は、本ポータル内の各制度の詳細ガイドや関連解説記事をご活用ください。
当事務所では、本制度の活用に向けた事業計画書作成支援や申請サポートを行っています。
初回相談は無料ですので、
- 制度の詳細を知りたい方
- 自社が申請対象になるか確認したい方
- 事業計画書や必要書類の準備に不安がある方
はお気軽にお問い合わせください。
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本ガイドは公開情報に基づいた概要です。最新の要件・様式・受付状況は、必ず公式サイトおよび最新の公募要領でご確認ください。内容は予告なく変更される場合があります。