本ページは2025年10月24日発表の第22次公募要領に基づき作成しています。要領は改訂される場合があります。申請前に必ず事務局サイト掲載の最新版をご確認ください。

本記事では、各章の冒頭に「その章でわかること」を簡単にまとめています。まずは冒頭まとめをチェックして、自分に必要な内容を見極めたうえで、詳しく知りたい部分を本文でご確認いただくのがおすすめです。

目次

1. ものづくり補助金とは

ものづくり補助金の目的や支援対象の範囲、制度の基本的な考え方を解説します。
どんな企業が、どのような取組で活用できるのかを理解できます。

制度の概要

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(以下、ものづくり補助金)は、中小企業・小規模事業者等が革新的な新製品・新サービスの開発を通じて、生産性向上と持続的な賃上げを実現することを目的とした制度です(※既存の製品・サービスの生産等のプロセスについての改善・向上のみは対象外)。
製造業だけでなく、サービス業や商業分野も対象となり、設備投資・ITシステム導入・自動化・省力化・海外展開など幅広い取組を支援します。

想定する課題と解決アプローチ

ものづくり補助金は、次のような課題を抱える事業者に対し、設備投資やシステム導入などを通じた課題解決を支援します。

想定される課題解決アプローチ
新しい事業や製品を始めたいが、投資資金が不足している設備・システム導入にかかる経費を、補助率1/2〜2/3で支援
人手不足や業務の非効率化に悩んでいる自動化・省力化設備を導入し、作業効率と生産性を向上
海外市場や新分野への進出に挑戦したい海外販路開拓、知的財産の確保、認証取得などを支援

主な用語の説明

用語説明
新製品・新サービスの開発自社で初めて作る商品や、これまでにないサービスを生み出すこと。改良型でも明確な差別化があれば対象になります。
付加価値額会社が生み出す「もうけの源」。営業利益+人件費+減価償却費の合計です。これが増えるほど生産性が上がったと判断されます。
賃上げ特例補助事業終了後に従業員の給与を一定割合以上引き上げた場合、補助上限や補助率が優遇される仕組みです。
常時使用する従業員日常的に雇っている従業員。代表者本人や家族専従者は含まれません。申請時に1名以上が必要です。

2. 補助対象となる事業者

本補助金を申請できる事業者の条件や、中小企業の定義、申請が認められないケースを具体的に解説します。
「自社が対象になるかどうか」を判断する目安がわかります。

補助対象となる事業者の要件

ものづくり補助金を申請できるのは、中小企業基本法で定められた中小企業・小規模事業者等です。
具体的には、株式会社、有限会社、合同会社、合名会社、合資会社、又は個人事業主であって、以下の業種別基準を満たす事業者に限られます。

中小企業の定義(業種別基準)

業種区分資本金上限従業員数上限
製造業・建設業・運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下
サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5千万円以下100人以下
ゴム製品製造業(自動車・航空機用等を除く)3億円以下900人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下300人以下

加えて、ものづくり補助金を申請するには、以下の要件をすべて満たす中小企業・小規模事業者等であることが求められます。

  • 日本国内に本社および補助事業の実施場所(工場、店舗等)を有していること
    • 海外への直接投資を行う場合は、国内の実施場所に加えて海外にも実施場所を有していること
  • 申請時点で常時使用する従業員数が1名以上であること
    • 代表取締役・専従者等は従業員に含まれません)
    • 日雇い・短期雇用・季節労働・試用期間中の従業員も対象外です。
    • ※従業員定義は中小企業基本法および労働基準法に基づきます

補助対象とならない主なケース

  • 医療法人、(公益・一般)社団・財団法人、法人格のない任意団体
  • 大企業およびその子会社・関連会社(出資割合や議決権保有率により判定)
  • 「みなし大企業」に該当する事業者(例:大企業が株式の過半数を保有している等)
  • 暴力団関係者・反社会的勢力に該当する事業者
  • 破産・民事再生などの法的手続き中の事業者
  • 虚偽申請や不正受給、事業報告未提出などの不正履歴がある事業者
  • 過去3年間に2回、本補助金の交付を受けた事業者(再申請制限)

3. 補助金の枠の種類と特徴

ものづくり補助金には、事業の目的や展開先に応じて複数の申請枠があります。
ここでは、最新の公募要領に基づき、主要な枠の概要・特徴・選び方を整理します。

ものづくり補助金では、すべての申請が「革新的な新製品・新サービスの開発」を前提とします。
そのうえで、事業の方向性に応じて以下の2つの申請枠が設定されています。

区分主な目的対象の方向性
製品・サービス高付加価値化枠国内市場での新価値創出自社の強みを活かした新製品・新サービス開発
グローバル枠海外市場での事業展開・輸出拡大海外販路開拓、国際規格対応などを伴う取組

本章では、各枠の概要を中心に説明します。補助率や補助上限額の詳細は第4章、申請時の具体的要件は第6章で確認してください。

製品・サービス高付加価値化枠

  • 目的
    • 自社の技術力やノウハウを活かし、顧客に新たな価値を提供する革新的な新製品・新サービス開発を支援することを目的としています。
      • 「新製品・新サービス開発」とは、顧客にとって新たな価値を提供することを目的に、自社の強みや独自性を生かして行う取組を指します。
      • 既存製品やサービスの単なる生産効率化・改善は対象外です。
  • 概要
    • 申請件数が多く、汎用性の高い枠です。
    • 補助上限額は、従業員数に応じて段階的に設定されています。
    • 「革新性」や「市場ニーズとの整合性」が評価の中心となります。

グローバル枠

  • 目的
    • 「製品・サービス高付加価値化枠」と同様に、新製品・新サービスの開発を行うことを前提としつつ、海外市場の開拓や輸出拡大を目的とする取組を支援します。
    • 海外での需要開拓や、国際規格対応、現地法人設立などを通じて、国内外の付加価値向上と国際競争力の強化を目指します。
  • 概要
    • 海外展開に必要な設備投資、システム構築、現地活動費などが補助対象となることがあります。
      • 対象事業例には、海外販路の新規開拓、輸出向け製品の開発、国際認証取得などが含まれます。
    • 補助上限額は通常枠より高めに設定されています。
    • 海外展開に関する実績や計画の具体性が審査の重要ポイントになります。

枠選びのポイント

目的適した枠
国内市場での新価値創出を目指す製品・サービス高付加価値化枠
海外市場への展開や輸出拡大を図るグローバル枠

グローバル枠は海外展開に関する加点要素がある一方で、計画の実現性や成果の裏付けがより厳格に求められる傾向があります。
海外市場進出・輸出拡大を検討している場合でも、要件の充足や成果の達成が難しいと判断される場合は、あえて「製品・サービス高付加価値化枠」を選択する方が現実的な場合もあります。

    4. 補助対象経費と補助額

    この章では、ものづくり補助金で「どんな費用が補助の対象になるのか」「補助金はいくらもらえるのか」を解説します。対象経費・補助率・特例措置の基本を整理します。

    本補助金では、事業の実施に必要な経費の一部が補助されます。
    ここでは第22次公募(2025年10月)時点の補助対象経費と補助額の概要を紹介します。
    詳細な条件や金額は、必ず最新の公募要領をご確認ください。

    補助対象経費

    補助対象となる主な経費

    補助対象となるのは、事業計画の達成に直接必要な経費です。主な経費区分と注意点は次のとおりです。

    経費区分主な内容注意点
    機械装置・システム構築費機械、装置、工具、試作品、専用ソフトウェア等設備投資が必須。リース・レンタルは不可。中古品は条件付きで可。
    技術導入費海外からの技術導入に係る謝金、翻訳費、通訳費等契約・発注・支払は補助事業期間内に完了していること。
    専門家経費外部専門家への指導・助言に係る謝金、旅費社員・役員への支払いは不可。1日上限あり。
    運搬費機械装置・資材の輸送費国内外とも対象可。補助事業に必要な場合に限る。
    クラウドサービス利用費補助事業に必要なクラウド利用料補助事業期間中の利用に限る。
    原材料費試作品製作に必要な原材料、部品、消耗品等量産・販売目的の経費は対象外。
    外注費加工、設計、デザイン、検査等の外注費関係会社への発注は不可。
    知的財産権等関連経費特許・商標・実用新案などの出願・登録費用事業成果に直接関連する場合のみ対象。
    (グローバル枠のみ)海外旅費・翻訳費等海外展開・輸出に必要な費用海外市場開拓事業のみ対象。

    補助対象外となる主な経費

    以下のような経費は補助の対象になりません。

    • 不動産関連費:土地・建物の取得、新築・増改築、基礎・整地工事など
    • 運営経費:家賃、保証金、敷金、水道光熱費、通信費(クラウド費を除く)
    • 車両関連費:自動車・車両の購入、修理、保険、燃料費など
    • 汎用機器・備品:事務用PC、スマートフォン、家具、コピー機など(専用機を除く)
    • 日常消耗品・事務費:文房具、印紙、手数料、会費、雑誌・新聞購読料など
    • 交際・娯楽・ぜいたく費:飲食、贈答、接待、娯楽関連費
    • 税金・金利等:消費税、地方税、保険料、借入金利息、遅延損害金
    • 関連当事者間取引:親会社・子会社・関係会社などへの発注・支払い
    • 期間外経費:補助事業期間外の契約・発注・納品・支払い
    • 重複計上:他の補助金・助成金と重複する経費

    経費計上のポイント

    経費計上のポイント(修正版)

    補助対象経費として認められるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

    • 事業との直接的な関連性があること
       補助事業の目的達成に直接必要な経費であり、単なる間接的・付随的な支出は対象外です。
    • 消費税・地方消費税を除外して計上すること
       補助対象経費はすべて「税抜」で記載します。
    • 重複計上の禁止
       同一経費を複数の補助金・助成金で計上することはできません。

    補助額と補助率

    補助額・補助率(特例なし)

    補助額・補助率は、申請枠や従業員数・事業者類型によって異なります。

    なお、補助金額は交付決定額を上限とし、実際の支出額に応じて精算されます(計画額に満たない支出の場合、その分補助額も減額されます)。

    製品・サービス高付加価値化枠(通常枠)
    従業員数補助上限額補助率
    5人以下750万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    6〜20人1,000万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    21〜50人1,500万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    51人以上2,500万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    グローバル枠
    事業規模補助上限額補助率
    共通3,000万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内

    特例措置

    大幅な賃上げ特例
    • 要件
      • 給与支給総額を年率3%以上引き上げ、かつ最低賃金+30円以上の水準を達成すること
    • 効果
      • 補助上限額の加算
        • 5人以下:+100万円
        • 6〜20人:+250万円
        • 21〜50人:+1,000万円
        • 51人以上:+1,000万円
      • 補助率は変わらない
    製品・サービス高付加価値化枠(大幅な賃上げ特例適用後)
    従業員数補助上限額補助率
    5人以下850万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    6〜20人1,250万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    21〜50人2,500万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    51人以上3,500万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    グローバル枠(大幅な賃上げ特例適用後)
    従業員数補助上限額補助率
    5人以下3,100万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    6〜20人3,250万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    21人以上4,000万円小規模事業者:2/3以内
    中小企業:1/2以内
    最低賃金引上げ特例
    • 要件
      • 最低賃金+30円以上を達成(賃上げ特例との併用不可)
    • 効果
      • 中小企業の補助率が 1/2 → 2/3 に引き上げ
      • 補助上限額は変わらない
    製品・サービス高付加価値化枠(最低賃金引上げ特例適用後)
    従業員数補助上限額補助率
    5人以下750万円2/3以内
    6〜20人1,000万円2/3以内
    21〜50人1,500万円2/3以内
    51人以上2,500万円2/3以内
    グローバル枠(最低賃金引上げ特例適用後)
    従業員数補助上限額補助率
    共通3,000万円2/3以内
    返還義務

    補助事業終了後、事業計画で設定した賃金引上げ要件を達成できなかった場合、
    達成状況に応じて補助金の一部または全部を返還する必要があります。

    • 対象となるのは、給与支給総額および1人あたり給与支給総額の年平均成長率です。
    • 成長率がマイナス(0%未満)の場合は全額返還となります。
    • 成長率が0%以上でも、目標値を下回る場合は未達度に応じて段階的に返還が求められます。
    • ただし、自然災害や不可抗力など、事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を免除されることがあります。
    • 付加価値額については、未達でも返還の対象にはなりません。

    ※返還基準の詳細は、公募要領の「補助対象要件未達の場合の補助金返還義務」欄を参照してください。

    5. 公募スケジュール

    この章では、ものづくり補助金の申請から交付、実績報告までの基本的な流れと、スケジュールを立てる際の注意点を解説します。最新の公募要領に沿って、全体の時期感を把握しましょう。

    22次締切公募期間:
    2025年12月26日(金)17時~2026年1月30日(金)17時

    大まかなスケジュール

    一般的な流れは以下のとおりです。ただし実際のスケジュールは回ごとに異なるため、必ず最新の公募要領をご確認ください。

    1. 公募開始:事務局サイトで要領公開・申請受付準備開始
    2. 申請受付:原則電子申請(jGrants経由)。期間は約1〜2か月
    3. 審査・採択発表:締切後、概ね1〜2か月で結果公表
    4. 交付申請・事業開始:採択後、原則2か月以内に交付申請
    5. 事業実施期間
      • 製品・サービス高付加価値化枠:交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)
      • グローバル枠:交付決定日から12か月以内(採択発表日から14か月以内)
    6. 実績報告・補助金請求:事業完了後、報告書提出・検査を経て補助金支払

    補助金事業では、採択後に短期間で交付申請や発注準備を行う必要があります。
    特にものづくり補助金は事業規模が大きく、設備導入に時間を要するため、事前のスケジュール設計が重要です。

    (※補助金全般に共通するスケジュール設計のコツは「総合ガイド」で解説しています。)

    過去の実施状況(参考)

    • 本補助金は令和元年度補正予算から継続して実施。
    • 2020年度以降は、年3〜4回程度のペースで公募。
    • 2025年10月時点で第22次公募を実施中。

    公募時期や募集回数は、国の予算措置や政策方針により毎回変動します。
    申請を検討する際は、最新の公募要領と事務局ポータルサイトを必ず確認してください。

    6. 申請要件

    この章では、ものづくり補助金に申請する際に必要となる「必須条件」「加点要件」「特例条件」について整理します。
    申請前に自社が条件を満たしているか確認し、加点・特例の適用可否も検討しましょう。

    対象者(概要)

    ものづくり補助金を申請できるのは、中小企業基本法に定める中小企業・小規模事業者等で、
    日本国内に本社および補助事業の実施場所(工場・店舗等)を有する事業者です。

    ※詳細な業種区分や対象外の事業者については、第2章を参照してください。

    必須要件

    申請時点で以下のすべてを満たす必要があります。

    1. 事業内容に関する要件
      • 自社の技術・ノウハウを活かした新製品・新サービスの開発、またはそのための設備投資であること
      • 単なる既存設備の更新や効率化のみの取組は対象外
    2. 事業計画の数値目標
      • 補助事業終了後3~5年以内に、次の両方を達成する計画であること:
        • 付加価値額年率3%以上増加
        • 給与支給総額年率1.5%以上増加
      • さらに、事業実施期間中に、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること(これを最低賃金要件と呼ぶ)
        • ※この最低賃金要件は全申請者共通の必須条件です。第4章で説明する「最低賃金引上げ特例」とは別の要件です。
    3. スケジュール遵守
      • 交付決定日から補助事業終了日までに、発注・納品・検収・支払・設置・稼働確認をすべて完了すること。
    4. その他の共通条件
      • 反社会的勢力との関係がないこと
      • 虚偽申請や不正受給歴がないこと
      • 補助金返還命令や不履行がないこと
      • 他の国・自治体補助金と同一経費を重複して申請していないこと
    5. グローバル枠の追加要件
      • 「グローバル枠」で申請する場合は、上記に加え以下を満たす必要があります。
        • 補助対象経費の50%以上が海外事業関連経費であること
        • 海外展開に関する具体的な計画と実績(または見込み)を有すること

    加点要件(任意)

    採択審査では、以下の項目に該当すると加点される場合があります。
    申請できる加点項目は最大6つまでです(22次締切の場合)。加点項目の内容や条件は、公募回ごとに一部更新されるため、最新要領を必ず確認してください。

    ※未達成の場合、正当な理由がない限り減点となる場合があります。

    区分主な加点項目(22次時点)
    経営関連経営革新計画の承認取得、パートナーシップ構築宣言(締切日前日までに公表)
    経営体質強化再生事業者、DX認定、健康経営優良法人、技術情報管理認証
    成長支援連携J-Startup/地域版J-Startup、新規輸出1万者支援プログラム(グローバル枠のみ)
    防災・継続性事業継続力強化計画(BCP)の有効取得
    働き方関連えるぼし認定、くるみん認定、被用者保険の任意適用(従業員50名以下)
    賃上げ表明事業計画期間中に給与支給総額 年平均4.0%以上、かつ事業所内最低賃金+40円を目標とし、従業員・役員へ表明
    事業承継・M&A過去3年以内に一定要件を満たす事業承継またはM&Aを実施
    その他成長加速マッチングサービスへの登録(挑戦課題が掲載中)

    特例要件(該当者のみ)

    第4章で説明したとおり、特例に該当する場合、補助率や上限額が優遇されます。

    ※両特例の併用はできません。

    特例名主な要件主な効果
    大幅な賃上げ特例給与支給総額を年率3%以上引上げ、かつ最低賃金+30円を達成補助上限額を100〜1,000万円加算
    最低賃金引上げ特例所定条件を満たし、最低賃金+30円を達成中小企業の補助率を1/2 → 2/3に引上げ

      7. 事業計画書作成のポイント

      この章では、採択されるための事業計画書の考え方と作成のコツを解説します。
      審査員が重視する「革新性」「実現可能性」「事業効果」を中心に、読みやすく説得力ある計画書を仕上げるポイントを学びます。

      基本的な方向性

      1. 革新性を明確にする
        単なる設備更新ではなく、「何が新しいのか」「どのように競争優位を築くのか」を明確にします。
        独自技術、ノウハウ、設計思想、サービスモデルなど、他社との差別化ポイントを具体的に示しましょう。
        • 例:「従来より加工精度を○%向上」「他社が持たない独自アルゴリズムを活用」など、定量的・具体的な表現が効果的。
      2. 実現可能性を裏付ける
        計画を「実現できる」と信頼してもらうため、以下の要素を明確にします。
        • 必要な人材・技術・資金が確保されていること
        • スケジュールが現実的で、リスク対策が取られていること
        • 外部機関(企業、大学、公的支援機関)との連携体制がある場合は、その役割を具体的に説明
      3. 数値目標と根拠をセットで提示
        売上・付加価値額・雇用増などの目標は、根拠を明示することが不可欠です。
        市場規模、顧客数の推定、原価構成、販売計画などを基に、再現性のある試算を行いましょう。
      4. 社会的波及効果を盛り込む
        地域経済や雇用への貢献、環境負荷低減などの社会的意義も評価されます。
        特に最近の審査では、GX(グリーントランスフォーメーション)・DX・地域連携との整合性が重視される傾向にあります。
      5. 審査基準を意識した構成にする
        公募要領に示される「審査項目」を網羅的にカバーし、章立て・見出しで対応関係を明確にします。
        費用対効果(投資に対する成果)や市場優位性も評価の重要ポイントです。

      作成のヒント
      事業計画書は「要件を満たすだけ」では不十分です。
      審査員にとって読みやすく、論理的に納得できる構成が採択率を左右します。

      • 長文説明よりも、見出し・箇条書き・図表で情報を整理
      • 各章の冒頭に要約(結論)を書くと読みやすい
      • 市場調査や実証データは、グラフや図を使うと説得力が上がる

      📊 審査員は限られた時間で多数の申請書を読みます。
      「短く・見やすく・根拠が一目で分かる」ことを意識しましょう。

      審査項目チェックリスト

      以下は審査員が申請書を評価する際の主要項目です。
      事業計画書を提出する前に、すべての項目に✓が入るか確認しましょう。

      1. 革新性・新規性

      • 新製品・新サービスの内容が明確で、従来品との差別化ポイントが示されている
      • 業界・市場にとって新規性がある(模倣困難性や独自技術がある)
      • 顧客に提供する新たな価値が具体的に説明されている

      2. 実現可能性

      • 必要な人材・技術・設備が確保されている
      • 実施スケジュールが現実的かつ具体的である
      • 想定されるリスクと対策が明記されている
      • 資金調達計画が明確で、自己負担分も確保できる見込みがある
      • 外部企業・大学・団体との連携体制が明確である

      3. 事業効果

      • 売上高や付加価値額などの目標が具体的な数値で設定されている
      • 数値目標の根拠(市場調査や試算方法)が提示されている
      • 補助事業終了後3~5年で以下の目標を満たす計画である:
        • 付加価値額年率3%以上増加
        • 給与支給総額年率1.5%以上増加
        • 事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上
      • 投資額に見合う成果が期待できる(費用対効果)

      4. 社会的波及効果

      • 地域経済や地域雇用への貢献がある
      • 他事業者や異業種との連携による波及効果が見込まれる
      • 国や自治体の政策(地域活性化、GX、DX等)との整合性がある

      5. 加点要素

      • 大幅な賃上げや最低賃金引上げを計画している(特例要件該当)
      • グローバル展開(輸出や海外事業)を含む
      • 第6章に記載の公式加点項目を満たしている
      • 成長性や持続可能性に関する明確なビジョンがある

      使い方

      • ✓がつかない項目がある場合は、その部分を事業計画書で補強しましょう。
      • 特に「革新性」「実現可能性」「事業効果」の3つは審査で比重が大きいです。
      • 加点要素は申請前に第6章を確認し、該当するものは必ず事業計画書内に反映させます。
      • 最新の審査項目・採点基準は必ず公募要領で確認してください

      8. 申請の流れ

      本章では、ものづくり補助金の事前準備から採択後の補助金受領までの全体の流れを解説します。
      いつ・何を・どの順番で行うかを把握し、スムーズに手続きできるようにしましょう。

      1. 事前準備

      1. gBizIDプライムの取得
        電子申請(jGrants)にはgBizIDプライムが必須です。
        発行には2週間以上かかる場合があるため、公募開始前の早期取得を推奨します。
      2. 公募要領の入手・確認
        公式サイトで公募要領・概要版・申請様式が公開されます。
        公募要領には対象経費・審査基準・加点項目などが記載されるため、過去の回の資料を流用せず、必ず最新版を熟読してください。
      3. 補助事業計画の骨子作成
        事業目的、必要経費、スケジュール、成果目標(付加価値・賃上げ)を整理し、初期案(骨子)をまとめます。
      4. 関係者との調整
        金融機関、外部連携先、士業などと事前に相談し、事業実施体制や資金繰りを確認します。

      2. 申請準備

      1. 事業計画書の作成
        第7章および公募要領の審査項目を参照し、審査員に理解されやすい構成で作成します。
        図表・数値根拠・比較データを積極的に活用しましょう。
      2. 見積書の取得(推奨)
        補助対象経費ごとに相見積り(2社以上)を取得します。
        金額・仕様・日付・発行者情報を明記し、交付決定前に取得しておくことで計画の精度が上がり、審査でも信頼性が高まります。
      3. 加点要件の確認
        認定・登録・宣言などの加点項目に該当する場合は、証拠書類(認定証・URL等)を添付します。
      4. 添付書類の収集
        • 決算書(直近2期分)
        • 登記事項証明書または開業届
        • 納税証明書
        • 賃上げ・海外展開関連資料(該当者)
        • gBizIDアカウント情報
        • その他、枠・特例・加点項目によって追加書類が求められる場合があります

      3. 電子申請(jGrants)

      1. 入力・アップロード
        gBizIDでjGrantsにログインし、申請フォームに必要事項を入力、事業計画書や添付書類をアップロードします。
      2. 送信前チェック
        • 入力漏れ・添付忘れ
        • ファイル形式・容量
        • 加点項目の反映・数値の整合性
        • PDF化で図表が崩れていないか
      3. 提出期限
        締切日時は厳守(1秒でも遅れると無効)です。
        アクセス集中やシステム障害に備え、締切2〜3日前の提出を推奨します。

      4. 申請後の流れ

      1. 審査・採択発表
        審査は書面審査が原則ですが、必要に応じて口頭審査(ヒアリング)が行われる場合があります。
        ※特に、高額な設備投資や技術的に専門性の高い案件で実施される傾向があります。
        採択結果は申請締切から約2か月後に公式サイトで公表されます。
        不採択理由は非公開ですが、評価結果の開示請求が可能な場合があります。
      2. 交付申請・交付決定
        採択後、原則2か月以内に交付申請書を提出。
        事務局審査を経て「交付決定通知書」が発行されると、補助事業の実施が正式に認められます。
        ⚠️ 交付決定前に発注・契約・支払を行った経費は補助対象外になります。
      3. 補助事業の実施
        交付決定から事業完了までは10か月(製品・サービス高付加価値化枠)または12か月(グローバル枠)です。
        この期間内に発注・納品・検収・支払・設置・稼働確認までを完了させます。
      4. 変更申請(必要に応じて)
        内容・経費配分を変更する場合は、事前承認が必要です(事後変更は原則不可)。
      5. 実績報告・精算
        完了後、実績報告書と証拠書類を提出し、事務局確認を経て補助金が支払われます。
        補助金は後払い(精算払い)で、実際の支出額に応じて確定します。
        💡 支出が計画より減少した場合、補助金額も比例して減額されます。
      6. 事業化状況報告(フォローアップ)
        事業終了後3〜5年間、年1回の報告義務があります。
        未報告や虚偽報告は返還命令・次回申請制限の対象になる場合があります。

      5. 実務上の注意点

      • スケジュール管理
        交付決定から完了報告までの期間は限られています。特に納期や工事期間が長い設備は計画段階で要確認。
      • ルール変更への対応
        補助対象経費や証拠書類の要件は公募回ごとに改訂されるため、過去資料の流用は避けること。
      • 証拠書類の保管
        補助金受領後も一定期間(通常5年間)保管義務があります。不備や紛失があると返還リスクがあります。

      9. 採択の傾向とポイント

      ものづくり補助金は毎回多くの応募があり、採択率はおおむね30〜40%前後で推移しています。
      直近の第20次公募(2025年10月発表)では、全国で申請2,453件・採択825件(採択率約33.6%)と、平均的な水準で推移しました。
      本章では、こうした採択傾向や審査の着眼点を踏まえ、採択率を高めるためのポイントを整理します。

      ⚠️ 採択傾向は回次や枠によって変動します。必ず最新の公募要領と公式サイト掲載の採択結果を確認してください。

      採択率の傾向

      • 全国平均:約30〜40%前後
      • 第20次公募結果(令和7年10月27日発表):
        - 製品・サービス高付加価値化枠:採択率 約34.4%
        - グローバル枠:採択率 約23.2%
      • グローバル枠は採択率が低く、高い技術的完成度と実現可能性の裏付けが求められます。
      • 採択結果は全国中小企業団体中央会の公式ポータルで公表されています(採択結果一覧)。

      採択されやすい事業計画の共通点

      高評価を得る事業は、以下の3つの柱をバランスよく満たしています。
      詳細な審査項目は第7章を参照してください。

      ■ 革新性

      • 新製品・新サービス・新技術の開発など、明確な新規性がある
      • 技術的優位性や模倣困難性を根拠付きで説明している
      • 設備更新にとどまらず、事業の飛躍的成長につながる変化を描いている

      ■ 実現可能性

      • 必要な人材・資金・設備・外部連携が確保されている
      • スケジュールやリスク対応策が具体的で現実的
      • 見積書や資金計画など、実施根拠が客観的に示されている

      ■ 波及効果

      • 地域経済・雇用・環境・他事業者への波及など、社会的効果がある
      • GX・DX・地域活性化・SDGsなど政策的テーマへの貢献を明確にしている

      採択されやすい計画の特徴

      採択事例の分析から、以下の特徴を持つ計画が高く評価されていると考えられます。

      • 課題→解決策→効果のストーリーが明確で、論理的につながっている
      • 市場調査や競合分析などの根拠資料を提示し、成果目標を数値で示している
      • 機械導入が目的ではなく、導入後の生産性向上や売上拡大に焦点を当てている
      • リスクや課題を認識し、対応策を明記している
      • 審査項目に沿って章立てや図表を工夫し、読みやすさを重視している
      • 賃上げ・経営革新計画承認・事業承継など、加点要件を効果的に盛り込んでいる

      採択率向上のための行動ポイント

      観点具体的アクション関連章
      審査項目の反映公募要領の審査項目を漏れなく反映する。抜けがあると減点対象。第7章
      数値根拠の提示市場規模・顧客数・単価など、数値と根拠資料で説得力を高める。第7章
      加点要件の準備経営革新計画・健康経営認定などは取得に時間がかかるため、早めに申請。第6章
      再申請の改善不採択だった場合は前回計画を見直し、根拠不足・構成不備を修正。

      10. ものづくり補助金の実務上の注意点

      ものづくり補助金は、申請から事業完了・報告まで長期間にわたる制度です。
      本章では、採択後の義務を含め、申請・実施・報告の各段階で特に注意すべき実務上のポイントを整理します。
      経費の適正管理、スケジュール遵守、報告義務の理解が、補助金の返還や不採択を防ぐカギとなります。

      1. 経費の適正性と支出ルール

      補助対象経費は、事業計画の遂行に直接必要なものに限られます。
      汎用PC・交際費・税金・土地建物関連費などは補助対象外(詳細は第4章参照)です。

      • 契約・発注・支払は交付決定後に行うこと。 それ以前の支出は補助対象外。
      • 原則、2者以上からの相見積もりを取得し、比較条件を明示。
      • 同一経費を他の補助金で重複計上することは不可。

      💡 契約日や請求書の日付が交付決定日より前の場合、不認定リスクがあります。

      2. 事業計画・経費配分の変更は事前承認が必要

      補助事業の内容、経費区分、スケジュールを変更する場合は、
      必ず事務局の事前承認を取得しなければなりません。

      変更が必要な主なケース:

      • 設備仕様・購入先の変更
      • 経費区分(機械装置費、システム構築費など)の配分変更
      • 工事遅延によるスケジュール延長

      ⚠️ 実施後の変更届は原則不可。無断変更は補助金返還の対象になります。

      3. 事業の実現性とスケジュール管理

      過大な数値目標や非現実的な計画は、「実現可能性が低い」として減点対象になります。
      人員・資金・納期・施工期間などを踏まえた現実的な工程表を策定しましょう。

      特に、機械納期や工事期間の遅延が発生すると、補助事業の完了が間に合わず対象外になるおそれがあります。

      4. 補助金の支払いと資金繰り

      補助金は後払い(精算払い)方式で、交付決定額を上限に実支出額に応じて支払われます。
      契約書・請求書・領収書・振込記録など、すべての支出に証拠書類が必要です。

      💡 補助金は後払いのため、立替資金を確保しておく必要があります。
      金融機関の「つなぎ融資制度」を利用できる場合もあります。

      5. 事業化状況報告と返還リスク

      補助事業完了後も、3〜5年間にわたり年1回、売上・付加価値額・賃上げ状況などを報告する義務があります。

      • 付加価値額 年率3%以上増加
      • 給与総額 年率1.5%以上増加
      • 最低賃金+30円の水準維持

      未報告・虚偽報告・目標未達の場合は、補助金の一部返還が求められる場合があります。
      報告内容は決算書や申告書と整合している必要があります。

      6. 証拠書類の保管義務

      契約書、請求書、領収書、納品書、設置・稼働写真などは、
      事業完了後5年間保管しなければなりません。

      電子データで保管する場合も、改ざん防止措置(タイムスタンプ等)が求められる場合があります。

      7. 加点・特例要件の扱い

      賃上げ特例・最低賃金引上げ特例・DX認定・健康経営認定などの加点要件は、
      証拠資料(認定証・登録証・URL等)の添付が必須です。
      単に「実施予定」と記載するだけでは加点されません。

      ⚠️ 未達の場合、正当な理由がない限り18か月間減点扱いになる場合があります。

      8. 申請書の記載・再申請時の注意

      • 他社計画・過去申請書の流用は誤記・整合性欠如の原因となり減点対象
      • 不採択理由で多いのは以下の3点:
        • 革新性不足
        • 根拠のない数値目標
        • 対象外経費の計上

      申請前に専門家(商工会・士業等)のチェックを受けると、見落としを防げます。

      9. 不正・不適正支出への対応

      虚偽申請、不正経理、補助金の目的外使用が発覚した場合は、
      全額返還+加算金+将来申請制限の対象となります。

      💡 軽微な誤りでも、故意や隠蔽と判断されると厳しい措置が取られます。

      11. よくある質問(FAQ)

      基礎的な質問(制度横断的な内容)

      Q1. 補助金はいつ支払われますか?
      A. すべての補助金で共通して事業完了後の実績報告承認後に精算払いです。前払いは原則ありません。

      Q2. 補助金は課税対象になりますか?
      A. はい。法人は法人税、個人事業主は所得税の課税対象です。税務処理は税理士等にご確認ください。

      Q3. 他の補助金と併用できますか?
      A. 同一経費の重複申請は不可です。
      異なる経費区分(例:設備=ものづくり補助金、販促=持続化補助金)であれば併用できる場合もありますが、
      制度によっては制限(例:16か月ルール等)があるため、事前確認が必要です。

      Q4. 申請書は自分で作らないといけませんか?
      A. 自社作成が基本ですが、商工会・認定支援機関・専門コンサルタントの支援も利用可能です。
      当事務所でも申請支援を行っています。お気軽にご相談ください。

      Q5. 個人事業主でも申請できますか?
      A. はい。中小企業基本法上の小規模事業者に該当し、確定申告実績があれば申請可能です。

      制度固有の質問

      Q6. 見積書はいつ必要ですか?
      A. 申請時点では任意ですが、交付申請時には必須です。
      補助対象経費1件あたり50万円(税抜)以上の場合、2者以上からの相見積もりが必要です。
      見積書の金額・仕様・日付・発行者は契約書・請求書と整合している必要があります。
      (詳細は第4章第10章参照)

      Q7. 採択後に計画を変更できますか?
      A. 軽微な変更は届出で可能ですが、経費区分や内容変更は事前承認が必要です。
      無断変更は返還対象となります(詳細は「第10章」参照)。

      Q8. 不採択だった場合、再申請できますか?
      A. 可能です。不採択理由を分析し、革新性・実現可能性・波及効果を補強すれば採択率が上がります。
      前回の内容をそのまま再提出するのは避けましょう。

      Q9. リース契約で設備導入はできますか?
      A. 原則は「購入」対象ですが、以下条件を満たせば補助対象になる場合があります。

      • リース期間が補助事業期間内に完了
      • リース料総額が取得価額相当
      • 契約書・見積書などの証憑添付

      詳細は公募要領を必ず確認してください。


      Q10. 海外で使用する設備やソフトウェアも対象ですか?
      A. グローバル枠では対象になります。
      ただし、補助対象経費の50%以上が海外関連であること、海外での導入を証明する資料の提出が必要です。

      Q11. 補助対象経費が増えた場合、追加申請はできますか?
      A. できません。交付申請時に確定した金額が上限です。
      途中で増額しても補助対象にはならないため、計画段階で余裕を持たせておくと安心です。

      Q12. 提出期限に遅れた場合、救済措置はありますか?
      A. 一切ありません。締切(通常17時)を1秒でも過ぎると無効です。
      システム不具合も免除理由にならないため、数日前の提出を推奨します。

      Q13. 審査期間はどのくらいですか?
      A. 公募締切から採択発表まで通常1〜2か月です。
      応募件数が多い回では3か月以上かかる場合もあります。

      Q14. 採択率はどのくらいですか?
      A. 平均30〜50%で推移。直近(第20次)は約35%。
      グローバル枠はやや低く、製品・サービス高付加価値化枠はやや高めです。
      (詳細は第9章参照)

      12. まとめ

      ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が自社の技術や強みを活かし、
      新製品・新サービスの開発や、事業・サービスの高付加価値化を通じて競争力を高める取組を支援する制度です。

      単なる設備導入ではなく、革新的な付加価値の創出と生産性向上を伴う取組が求められます。
      採択のカギは、「課題 → 解決策 → 効果」の流れを明確にし、
      その効果を売上・付加価値・賃上げ等の数値で裏付けること
      そして申請から実施・報告までの計画管理を徹底することです。

      次のステップ:今からできる準備

      ステップ1 事業計画のたたき台を作る

      まず、自社の課題・強み・実現したい新しい取組を整理しましょう。
      構想段階でも構いません。概要を文字にすることで、必要な設備・人材・資金が見えてきます。

      ステップ2 専門家への早期相談

      申請書の完成度を高めるには、制度理解と実務経験を持つ支援者との連携が不可欠です。
      認定経営革新等支援機関、商工会・商工会議所、金融機関、
      または中小企業診断士・税理士・行政書士・補助金コンサルタントなど、
      信頼できる専門家に早めに相談しましょう。

      相談の早さ=採択率と事業成功率を高める第一歩です。
      当事務所でも、豊富な申請支援実績をもとに事業計画書の作成をサポートしています。


      ステップ3 最新の公募要領・スケジュールを確認

      制度内容や要件、加点項目は公募回ごとに更新されます。
      必ず最新の公募要領・スケジュールを公式サイトで確認し、
      過去資料の流用は避けてください。


      ステップ4 GビズIDプライムの取得

      電子申請システム(jGrants)の利用にはGビズIDプライムが必要です。
      発行まで2〜3週間かかることがあるため、最初の準備項目として早めに着手しましょう。

      この制度は年に複数回の公募がありますが、準備の早さこそが採択率と事業実行のスムーズさを左右します。
      今このタイミングから動き出すことで、次回公募での採択にぐっと近づけます。

      今動き出すことが、次回採択への近道

      ものづくり補助金は年に複数回公募が行われますが、
      採択率を高める最大のポイントは「準備の早さ」です。
      事業構想の整理、見積収集、専門家との相談を前倒しで進めることで、
      申請直前に慌てることなく、完成度の高い申請書を提出できます。

      サポートのご案内

      当事務所では、本制度の活用を検討する事業者さま向けに、事業計画書作成支援や申請サポート を行っています。

      こんな方におすすめです:

      • 制度の詳細を知りたい方
      • 自社が申請対象になるか確認したい方
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      朝倉とやまコンサルティング事務所の代表・朝倉傑が本記事を執筆しました。
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