【中小企業経営者必見】機械購入で競争力を高める 〜補助金活用事例付き〜
はじめに
「人手不足で生産が追いつかない」、「納期短縮の要求が高まっている」-そんな悩みを抱える中小企業経営者は多いのではないでしょうか。
機械の導入がこれらの悩みの解決に直結するケースが少なくありません。しかも、補助金を活用すれば資金負担を大幅に軽減できます。
本記事では、
- 機械購入のメリットとデメリット
- 実際に成果を上げた2社の事例
- 補助金活用による負担軽減
を、経営者目線でわかりやすく解説します。
機械購入のメリット
- 生産性・効率の向上
作業内容にもよりますが、手作業や旧式の機械に比べて、最新機械は作業スピードや精度が大幅アップするケースが多いです。この場合、機械導入により短納期や大量生産にも柔軟に対応可となります。 - 品質の安定化
機械の導入により作業の標準化がしやすくなり、人為的変動(体調や集中力など)を排除できるため、製品の品質が均一化し歩留まりが改善することが期待できます。 - 人手不足対策
人材確保が難しい中でも、機械が人間が行っていた業務を代替します。うまく活用すれば、熟練者依存からの脱却や採用・教育コストの削減にもつながります。 - 新規受注・市場拡大
機械の導入により技術的対応範囲が広がるため独自の加工技術や製品開発を顧客に提案できるようになります。また、品質向上により高付加価値市場への進出が可能となることもあります。
機械購入のデメリット
- 初期投資コスト
購入資金の確保が課題になりやすいです。
→ 補助金を活用すれば、導入費用の1/2〜2/3が補助される場合があり、自己負担額を大幅に減らせます。 - 機械の維持管理コスト
メンテナンスや修理費用が継続的に発生します。
→ 例えば厚生労働省の業務改善助成金などの一部の制度では、保守料金も対象になるケースがあります。 - 機械の習熟コスト
操作や保守のための人材育成が必要。
→ 補助金の中には、研修費や外部講師費用も経費対象になるものがあり、教育コストの軽減が可能です。また、新たな機械を導入することで、手作業や既存機械の操作・保守のための人材育成が不要となるので、トータルで見れば負担が減るケースもあります。 - 陳腐化リスク
技術進化が早い分野では、機械寿命よりも前に買い替えが必要になる可能性があります。
→ 導入時に最新・拡張性の高い装置を吟味することで、買い替え周期を延ばすことが可能です。補助金を活用すれば、その初期費用負担も軽減できます。
このように、機械購入のデメリットの一部は、補助金の活用により緩和することができます。
メリット・デメリットを踏まえた機械購入のススメ
「お金がないから導入できない」という理由で先送りにするよりも、補助金が使えるタイミングで機械を導入する方が長期的に有利になるケースは少なくありません。
なぜなら、経営改善に貢献する機械の導入を遅らせれば、その期間に得られたはずの追加売上やコスト削減効果が失われてしまいます(機会損失)。逆に、機械の導入を早められれば、これらの効果を前倒しで享受できるようになるのです。そして、補助金は応募できるタイミングが限られているため、補助金が使えるタイミングで機械を導入することをお勧めします。もちろん、機械が経営改善にどの程度貢献するかの検証は不可欠ですが。
成功事例
具体的な事例があったほうが機械導入の効果をイメージしやすいと思います。「令和6年度ものづくり補助金成果事例集」(A4版)(全国中小企業団体中央会)より、機械導入により成功を獲得した企業の事例を紹介します。
事例1:有限会社武居製作所(栃木県)
業種:金属プレス加工
導入機械:200トンプレス機
背景と課題
- 従来の150トンプレスでは厚板加工に対応できず、受注機会を逃すケースがあった
- 工程分割による段取り替えで生産性が低下
- コスト競争力と納期対応力の不足
導入の経緯
新規顧客からの要望を受け、大型金型や複数工程の一括加工が可能な200トンプレス機を導入。
[導入前] | [導入後] |
---|---|
150トンプレス ・厚板加工NG ・工程分割で段取り多い ・受注機会損失 | 200トンプレス ・厚板加工OK ・工程集約で段取り短縮 ・新規受注獲得 |
効果
- 厚板対応により建設機械部品の新規案件を受注
- 段取り時間削減で生産性アップ
- 品質の安定化による顧客満足度向上
事例2:株式会社山から(山形県)
業種:食品加工業(洋菓子製造)
導入機械:大型ミキサー、包餡機、自動整列機
背景と課題
- 人気商品「かみのやまシュー」の需要急増に手作業が追いつかない
- 繁忙期の品質維持と安定供給が課題
- 作業者の負担増大
導入の経緯
生産ラインの一部を自動化するため、大型ミキサー・包餡機・自動整列機を導入。
[導入前] | [導入後] |
---|---|
手作業充填・整列 ・1日4,000個 ・品質ばらつき ・作業負担大 | 包餡機+自動整列機 ・1日6,000個以上 ・品質均一化 ・作業負担軽減 |
効果
- 製造時間を約30%短縮
- 生産能力が1.5倍以上に向上
- 繁忙期でも安定供給が可能に(品質安定化)
補助金を活用して資金負担を軽減
中小企業向けの代表的な補助金制度として、「ものづくり補助金」 や自治体独自の設備投資補助金があります。
これらを活用すれば、機械導入費用の最大1/2〜2/3程度が補助される場合もあります。
例えば、導入費用が1,000万円でも、補助金を使えば自己負担が500万円以下になるケースも多いです。
このように補助金を活用することで、資金繰りの不安を大幅に減らし、安心して最新設備を導入できます。
まとめ
機械購入は一時的な負担が大きくても、長期的には生産性向上・品質安定・人手不足解消・受注拡大という形で企業の競争力を高めます。
さらに、補助金を活用すれば、その一時的な負担を軽減できるので、そのハードルは大きく下がります。
「今の経営課題を解決する手段」としての機械導入を、ぜひ検討してみてください。
次の成長の一手は、あなたの投資判断から始まります。
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